分光エリプソメーター SE-2000 (回転補償子型)

エリプソメーターとは

エリプソメーターは、サンプル表面から反射された光の偏光の状態変化(ΨΔ)を測定することにより、サンプル(薄膜、基盤)の膜厚値T(Thickness)、屈折率N(Refractive index)、消衰係数K(Extinction coefficient) を求める光学測定装置です。単層膜から多層膜の各層の膜厚値と光学定数(屈折率、消衰係数)を非接触・非破壊で測定することが可能です。

分光エリプソメーターでは、膜厚値は、サブナノメートルから数十マイクロメートルの範囲で精度良い測定ができ、一般的な酸化膜、窒化膜、フォトレジストを含む半導体材料からディスプレイ用の有機膜や透明導電膜、また金属薄膜や表面粗さ測定まで幅広いアプリケーションでご使用頂いています。

分光エリプソメーターSE-2000とは

エリプソメーターのパイオニアであるSopra時代(1983年創業)から、セミラボでは数多くの分光エリプソメーターを販売してきました。新製品エリプソメーターSE-2000では、弊社ベストセラーである分光エリプソメーター旧モデルで培われた経験と技術を継承しつつ、数多くのお客様の声を元に改善を行い、その結果、従来機以上の測定精度、操作性、安定性を実現しました。回転補償子型による測定精度の向上に加えて、使い勝手の良い解析ソフトウェアと豊富なデーターベースで、研究開発からインライン生産品質管理など様々な用途でご使用頂いています。

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回転補償子型 分光エリプソメーター

エリプソメーターには様々な測定方式が存在していますが、分光エリプソメーターSE-2000では、高精度測定のため最新の回転補償子型を採用しています。補償子を使用していない様々な測定方式では、測定データΔ=0付近で避けることが出来ない測定誤差が生じてしまうために結果として正しくない解析結果を導いてしまうことが起こりえますが、回転補償子型では、Δ=0付近も高精度で測定が可能なため、正確な解析結果が得られます。このため、ユーザーは測定方式による誤差要因を心配することなく、安心して装置をご使用頂けます。

深紫外から中赤外のスペクトル範囲をカバー

分光エリプソメーターSE-2000では、オプションのFTIRエリプソメーターヘッドを可視アーム付属の同じゴニオメーターに搭載する独自レイアウトにより、単一装置で深紫外(193nm)から中赤外(25µm)までの最も広いスペクトル範囲をカバーできます。

高速測定モードと高分解能モード

装置構成としては、スペクトログラフとCCD検出器アレイを用いた高速測定モードと、スペクトロメーターと単一点検出器(PMT)を用いた高分解能モード、また両方のモードを同じ装置で選択して頂くことも可能です。

最新の解析ソフトウェア

分光エリプソメーターSE-2000には、コンポーネントを交換可能なセミラボの新型高性能電子機器が搭載されており、新世代の動作・分析ソフトウェア(SAM/SEA)で動作します。最新の解析専用ソフトウェアでは、Sopra社時代からの豊富なNK値と光学モデルのデータベースが搭載されていることに加えて、最新のGUIにより視覚的にパラメーター初期値の最適化が可能になり、複数の光学モデルを組み合わせることで、困難な解析にも容易にアプローチが可能になりました。

分光エリプソメーターSE-2000の特長

  • 多数の販売実績
  • 回転補償子型による高精度測定
  • 高分解能アレイ検出器による高速測定(数秒/ポイント)
  • 光電子増倍管PMTによる高精度測定
  • 裏面反射影響除去機能
  • 操作性に優れたソフトウェア
  • 豊富なデータベース
  • 様々なオプションによる拡張性
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回転補償子型 分光エリプソメーター SE-2000

仕様

 
測定方式 回転補償子型
波長範囲 193nm~2500nm (アプリケーションにより、必要な波長範囲を選択可能)
検出器チャンネル数 可視光領域 CCD 波長方向1024ピクセル、近赤外領域 512ピクセル
光源 75W キセノンランプ
測定時間 1ポイントあたり、数秒
スポット径 数十μm ~ 数mm (選択可能)
ΨΔ測定レンジ Ψ = 0~90°, Δ = 0~360° (フルレンジ)
入射角度 25°~90° (自動可変)
膜厚測定範囲 1Å ~ 数十μm
サンプルサイズ 1インチ ~ 300mm
サンプルステージ アプリケーションによりマッピングステージなど各種ステージを選択可能
その他 CCD検出器に加えて、オプションで、PMT(光電子増倍管)検出器も搭載可能

オプション

    • 自動マッピングステージ(XYステージ、回転ステージ)
    • サンプル自動アライメント機能
    • ジョイスティック
    • マイクロスポット(500μm標準と更に微小スポットサイズの選択可能)
    • 環境セル:クライオスタット、液体セル、サンプルステージ冷却/加熱セル、QCMセル
    • PMT(光電子増倍管)検出器
    • 細孔率分布測定(ポロシメーター)
    • 可視化カメラ
    • FTIR測定ヘッド(波長最大25μm)
    • 反射率・透過率測定
    • 分光反射率計
    • 波長範囲拡張(深紫外~赤外領域)
    • セミラボの他の測定ヘッドとの統合が可能(4pp、非接触シート抵抗測定など)
    • 安全カバー

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オプション類


マッピングステージ

オプションにてXY、Rho-Thetaステージ(200mm, 300mm)を搭載することにより、サンプル面内の膜厚分布、屈折率分布が評価が可能です。 またZ軸駆動によるオートフォーカス機能によりサンプル位置の自動アライメントを行います。

  • XYステージ
  • Rho-Thetaステージ
  • Z軸 オートフォーカス機能

 

酸化ハフニウム(HfO2)の面内分布測定(膜厚値マッピング、屈折率マッピング)

 

 


2重回転補償子型エリプソメーター

2重の回転補償子によりMueller Matrix全成分(16成分)の測定を行います。

  • ミューラーマトリックス16成分の測定が可能です。
  • 通常のエリプソデータ(ΨΔ)測定では、片方の回転補償子を光路から外した状態で測定を行うため、光量の減衰や長期安定性に対するリスクはありません。

回転補償子型エリプソメーター 概略図

 

 


赤外分光エリプソメーター(SE-2000IR)

FTIRヘッドを搭載することにより赤外領域の分光エリプソ測定(膜厚測定、光学定数測定)に対応します。通常のFTIRとして、様々な物質構造の解析も可能です。

メリット

  • 赤外領域でのNKデータ測定
  • 厚めの膜の測定
  • エピタキシャル層の膜厚測定
  • ラフネスのある基板上の膜の測定
  • FTIR機能による物質構造解析

仕様

  • 検知器(2種類):
    * MCT(HgCdTe): 1.44 – 17 µm
    * DTGS : 2 – 25μm

可視光領域の測定ヘッドとの組み合わせにより、最大193nm~25μmの測定が可能になります。

 

 


光学式ポロシメーター(オプション)

分光エリプソの技術を応用した光学式ポロシメーターです。
欧州研究機関 IMECで開発され、SEMILABがライセンスを受け、製造/販売しています。細孔系分布、細孔率、ヤング率、バリア性、CTE計測が、前処理なしで30分で測定が可能です。

サンプル条件

  • 膜厚: 50nm-10um程度
  • 細孔径: 約0.5 – 70nm

 

 


非接触シート抵抗測定(オプション)

渦電流ヘッド(Eddyヘッド)をオプションにて搭載することにより ガラス基板上の透明導電膜(ITO等)、シリコンや化合物半導体サンプルを非接触にてシート抵抗マッピング測定します。最大 1000Ohmsqまでの測定が可能です。

 

選択可能なシート抵抗レンジ (注文時ご選択)
* Type C : 100 – 1000 Ohmsq
* HR : 10 – 200 Ohmsq
* MR : 2 – 100 Ohmsq

渦電流法の原理説明図

4探針法との相関曲線

渦電流法にての非接触シート抵抗マッピング例

 

 


温度コントローラー Linkam cell

分光エリプソメータSE-2000に温度コントローラーオプションを搭載することにより、 光学定数の温度変化(NK vs 温度)を測定します。最大温度1000℃までの測定が可能です。

温度範囲
標準タイプ: 室温~600℃
高温タイプ: 室温~1000℃
低温タイプ: -196℃~350℃

仕様
サンプルサイズ: 約20mm角まで
温度コントロール スピード: 0.01℃~150℃/分
ソフトウェア制御による自動連続測定

After evaluation (model fit) and calculating the optical constants at 1550 nm (0.8 eV), we find the Mott transition curve (insulating-metallic transition):

二酸化バナジウム(VO2)の金属-絶縁体転移

 

 


反射率測定(オプション)

光源として長寿命ハロゲンランプと2層構造の石英光ファイバーを使用し、非接触で高精度の反射率を測定します。

測定可能な物理特性

  • 反射率
  • フィルムの膜厚
  • Gap information

仕様

  • スポットサイズ:500μm@633nm
  • 波長範囲:380nm-950nm
  • 測定スピード:約100ms

アプリケーション

  • 半導体
  • シリコン、有機、化合物半導体
  • 太陽電池
  • ポリマー
  • フラットパネル・ディスプレイ
  • 医療、バイオ
  • PETフィルム

 

 


その他オプション

SE-2000には、その他以下のオプションを搭載して頂けます。

分光エリプソメーター測定拡張オプション

  • 温度コントロールステージ
  • 液体フローセル
  • CCD可視化カメラ(サンプル表面モニター用)
  • サンプル自動アライメント機能
  • ジョイスティック
  • 反射率・透過率測定(斜入射)
  • In-situ測定
  • クライオスタット
  • QCM
  • 安全カバー
  • Mueller Matrix(12 or 16成分)

 測定ヘッドオプション

  • 透過率/ヘイズ率測定ヘッド
  • 反射率測定ヘッド
  • ラマン分光ヘッド

液体フローセル

In-Situ プロセス測定

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エリプソメーターの測定原理


偏光 (polarization) とは

光とは、電界(電場)と磁界(磁場)の振動が空間を伝わる波(電磁波)

光(電磁波)のX方向の振動とY方向の振動の位相差が、0度または180度のとき直線偏光(linear polarization)と言います。
また、円偏光(circular polarization)は、振幅が等しく、位相が90度または270度異なるX方向の振動と、Y方向の振動の合成として表わされます。

 

電場および磁場の振動方向が規則的な光のことを「偏光」と言います。

楕円偏光(elliptical polarization)は、振幅ならびに位相が異なるX方向の振動とY方向の振動の合成として表わされます。
エリプソメーターでは、楕円偏光の状態(ΨΔ)を測定することにより、膜厚値(Thickness)、屈折率(Refractive Index)、消衰係数(Extinction Coefficient)などの物理量を解析から求めることが出来ます。

楕円偏光 直線偏光 円偏光

 


屈折率とは

屈折率(Refractive Index)とは、真空中の光速度を物質中の光速度で割った値です。

光の進む速度は物質により異なるため、屈折率も物質により異なります。異なる物質中を伝播する光の屈折率を表す式として、「スネルの法則(Snell’s law)」が成り立ちます。

 

スネルの法則

スネルの法則

反射率とスネルの法則

 

nは、それぞれの物質の屈折率、θは入射角度(Incidence angle)ならびに屈折角度です。

 

真空中から物質中へ光が入射した場合は、ni=1 (真空の屈折率)のため、下記の式が成り立ちます。

スネルの法則2

 


サンプル表面の偏光

光(電磁波)の入射面に対して平行な成分をp偏光、垂直な成分をs偏光と言います。

p偏光の反射光強度が0になる光の入射角をブリュースター角(brewster’s angle)という。ブリュースター角付近で、p偏光とs偏光の位相差Δの変化が大きくなり測定感度が向上します。

サンプル表面から反射される光は、サンプルの影響を受けて楕円偏光となります。
光の入射面に対して平行な成分をp偏光、垂直な成分をs偏光と言います。
p偏光とs偏光の振幅比をΨ、位相差をΔとします。

 


エリプソメトリーとは

エリプソメーターでは、サンプル表面で反射された光の偏光の状態(ΨΔ)を測定し、このスペクトルを解析することによりサンプルの膜厚値、屈折率、消衰係数などの物理量を求めることができます。

多層膜の場合は、各層の膜厚値(T1,T2,T3・・・)、屈折率(n1,n2,n3・・・)、消衰係数(k1,k2,k3・・・)を非接触で測定することができます。

入射光 測定スペクトル

 


エリプソメトリーの原理

エリプソメーターで測定されたp偏光とs偏光の振幅比Ψと位相差Δは、ps偏光の振幅反射係数の比( rs/rp )として定義されます。

入射光 測定スペクトル

 


シリコン基板の測定データシミュレーション (ブリュースター角)

分光エリプソメーターの入射角度74~76度まで0.2度ステップで測定を行った測定データ(ΨΔ)です。
p偏光の反射光強度が0になる光の入射角(ブリュースター角)付近で、測定データ(Δ)の変化が大きくなり、測定感度が高くなります。

シリコン基板のブリュースター角は、75°付近

Ψがゼロ付近で、Δの変化が大きくなっている  → ブリュースター角(brewster’s angle)の効果

 


光学干渉について

薄膜サンプル表面から反射される光は、基板表面で反射される光と干渉を行います。
光は薄膜中で多重反射を行うため、単層膜サンプルにおいても、振幅反射係数rは多重干渉の効果により複雑な計算式で表されます。
多層膜では、更に複雑な計算式となります。

単層薄膜中の多重反射

 


光学モデル(分散式)による解析アプローチ

エリプソメーターは、解析ツールです。
薄膜の膜厚値、光学定数(屈折率、消衰係数)を求めるためには、測定データ(ΨΔ)に対して解析を行う必要があります。
解析では、サンプル構造(基板材料、薄膜材料など)の情報から光学モデルを作成することになります。
解析において、薄膜の光学定数(屈折率、消衰係数)を表すためにCauchy、Drude、Lorentz、Tauc-Lorentzモデルなどの誘電関数モデル(dielectric function models)を用いるケースが多いです。

 

例として、アモルファスシリコン(a-Si)の場合は、分散式(誘電関数モデル)としてTauc-Lorentzモデルを用います。

 


解析プロセス(Analysis process)

ユーザーにより光学モデルが作成された後に、コンピューター(解析ソフトウェア)が自動でフィッティング作業をして解析を行います。

光学モデルが妥当な場合、測定データ(ΨΔ)と光学モデルによるシミュレーションデータ(Ψ’Δ’)が、ほぼ一致したフィッティング結果が得られ、この解析結果として、サンプルの膜厚値、屈折率、消衰係数などの物理量が得られます。

 

 


測定結果イメージ: シリコン基板上のHfO2

参考例として、シリコン基板上の酸化ハフニウムHfO2薄膜の解析結果です。
サンプル中心ポイント(1ポイント)の解析結果として、測定データ(ΨΔ)と光学モデルによるシミュレーションデータの解析グラフ、薄膜の膜厚値、屈折率、消衰係数が得られます。
NK値(屈折率、消衰係数)は、スペクトルデータ(NK値vs波長)としても出力ができます。

 

HfO2膜厚測定

分光エリプソメーターでは、サンプル面内の複数の測定ポイントを解析することにより、マッピンググラフ(面内分布)の結果を得ることができます。


測定項目

  • 膜厚測定
  • 光学定数測定(屈折率N、消衰係数K)
  • 偏光解消度
  • 表面ラフネス
  • バンドギャップ
  • ドーパント濃度
  • 異方性測定
  • リタデーション(R0, Rth)
  • ミュラーマトリクス(12または16要素)
  • 異方性材料用のジョーンズ行列
  • 反射率&透過率vs波長&入射角度
  • 透明基板用の透過エリプソメトリー(オプション)
  • ポロシメトリー(オプション):薄膜中の細孔サイズと細孔率の測定
  • in-situ測定モードで成膜またはエッチングプロセス中にリアルタイム制御が可能(オプション)

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