ラボ用アプリケーション
製造プロセスのトラブルシューティングでは、様々な工程段階でウェハーをより包括的に分析する必要があります。こうしたテストは通常、インラインやオフラインのプロセス管理装置の範囲外になります。このニーズを満たすために、セミラボでは、多数の機能を持つ最新式の検査装置をご提供しています。
こうした高度なメトロロジー装置を研究開発分野で効果的に利用すると、新しい方法や手法を導入して太陽電池製造の効率を高めることができます。
セミラボは、お客様と協力して、装置の性能を向上し、新たなアプリケーションを導入してメトロロジーの将来のニーズを満たしてまいります。
当社の測定装置は、高性能、簡単な操作、低コストを実現するよう設計されています。
アプリケーションの例は以下のとおりです。
- ・ウェハー汚染(コンタミネーション)特性評価
- ・ウェハーの分析的汚染検出
- ・異なる製造段階における電気パラメータの測定
- ・成膜層パラメータの光学特性評価
- ・成膜誘電層パラメータの電気特性評価
- ・表面パッシベーションの効率と均一性の測定
- ・太陽電池の加速光誘起劣化(LID)・電圧誘起劣化(PID)のテスト
分光エリプソメトリー
エリプソメトリーは絶対的な光学的測定法であり、媒質を通過中の光偏光の変化を測定します。
偏光の位相は、反射中の層構造が原因により歪みを呈するため、構造内の媒質材料特性の抽出が可能になります。
偏光の歪みは、複数の光学コンポーネントが光偏光を変調する複数の方法で特定できます。
セミラボでは、
最も進んだ回転補償子を採用しており、ハイエンドの広帯域補償子が回転角に応じて異なる位相転移を生じさせ、
エリプソメトリーパラメータを分光的に特定できます。
エリプソメトリーは間接的なメトロロジーであるため、
厚さ・屈折率の値を抽出するには、実際にある構造のモデリングとパラメータフィッティングが必要です。
セミラボの分光エリプソメトリーアナライザー(SEA)ソフトウェアは、
実際にある構造モデルを構築するための幅広い手法やモデルパラメータをフィッティングにかけ、
目的の値を取得するための強力なアルゴリズムを装備しています。
Deep Level Transient Spectroscopy(DLTS)
Deep Level Transient Spectroscopy(DLTS)は、汚染(コンタミネーション)や結晶欠陥による半導体中の電気的に活性な欠陥(「トラップ」)の検出と特定を行う強力な技術です。この技術は、深いトラップに関連するエネルギーレベル、捕獲断面積、濃度分布などのあらゆるパラメータを決定するための非常に汎用的な方法です。不純物の特定が可能であり、濃度が2×108 atoms/cm3以下の汚染を検出できます。
DLTSは、ショットキーダイオードまたはPN接合と小型サンプル(通常は完成ウェハーから切断されたもの)との成形を必要とするため、破壊的手法です。
セミラボのDLTSシステムは、DLS-83DまたはDLS-1000と、セミラボが提供する4種のクライオスタットのいずれかで構成されます。
キャリア・ライフタイム(µ-PCD、QSS-µPCD)
マイクロ波検出フォトコンダクタンス減衰(µ-PCD)法によるキャリア・ライフタイム測定は、ウェハー製造や太陽電池製造における入りウェハー検査、品質管理、プロセスモニタリングに役立つ技術です。マイクロ波誘導フォトコンダクタンス減衰法は、シリコンの少数キャリア・ライフタイムを測定する最も一般的な方法です。この方法は高い信頼性と再現性を誇り、短い測定時間で高分解能のライフタイムマップも作成できます。
汚染物質の頻発とそのライフタイムにより、効率が損なわれます。
影響度 |
元素 |
---|---|
強 |
Fe、Pt、Cu |
中 |
Pd |
弱 |
Mo、W |
ごくわずか |
Ca、Al、Zn、Ti |
汚染物質は、ライフタイム(あるいは拡散長)への影響が異なる2つの分子状態で存在する可能性があります。
汚染物質の状態を変化させることによって生じるライフタイムの変化で、その汚染物質の量を測定します。
- 状態を変化させる独自の方法が必要
- 定数は経験的に導かれる
- 汚染物質がライフタイムに与える影響は注入レベルによって異なる場合がある
- 変化はμ-PCD法またはSPV法で検出できる
Light Beam Induced Current(LBIC)
太陽電池分野では、太陽電池の量子効率が特に重要な指標の1つです。これは、太陽電池の誘起電子流(Ielectron)と入射フォトン流(Iphoton)の比率で示され、光波長と多数の太陽電池特性によって決まります。量子効率には2つの異なる定義があります。
- 外部量子効率:Iphotonがウェハー表面の誘起光の反射で補正されない
- 内部量子効率(IQE):Iphotonが反射で補正される
太陽電池の量子効率は次のような各種損失によって制限されます。
- 光学的
- 電気的
- 抵抗
- 再結合 - キャリア・ライフタイム関連
IQEの値を求める確実な方法は、Light Beam Induced Current(LBIC)測定法です。
非接触CVプロファイリング
PV製品シリーズで用いられている非接触CV法は、シリコンの誘電体・界面のモニタリングを行うIC製造ラインで幅広く使用されているコロナ電圧メトロロジーを適応したものです。この手法では、PVアプリケーションで誘電体のパッシベーション品質に影響を与える電気パラメータを、準備なしで高速に測定できます。
シリコン太陽電池アプリケーションでは、誘電体フィルムを次の2つの理由で使用します。
- エミッター/誘電体界面をパッシベートするため(つまり、界面の再結合速度を遅くするため)
- 反射防止膜として
この結果、誘電体全体には、異なる膜が含まれることがあります。たとえば、界面をパッシベートする薄いSiO2膜と、これより厚く、反射率を下げるシリコン窒化膜などです。