薄膜アプリケーション
薄膜太陽電池の継続的な安定生産には、成膜と処理プロセスの適切な制御が不可欠です。
セミラボは、
薄膜の電気・光学特性評価用に複数のメトロロジーソリューションをご提供しています。
当社の特別設計の4探針・6探針プローブおよび渦電流センサー(Eddy Current)は
薄膜半導体のほか、透明導電膜(TCO膜)・金属膜・その他あらゆる対象物のシート抵抗を正確に測定します。
セミラボの「分光エリプソメトリー」と「分光ヘイズ&反射率」技術によって、
多層膜構造でも、各層の厚さ・光学パラメータの完全な特性評価を実施することができます。
TCOシート抵抗
薄膜のシート抵抗測定は、非接触・非破壊の渦電流法を用いて実現できます。
渦電流測定は、コイル内の交流電流の流れに基づいています。
発生した磁界がサンプル内に循環電流(渦電流)を生じさせ、実際に渦電流測定は材料内の電気損失を測定します。
内蔵距離センサー(キャパシタンス測定に基づく)により測定ヘッドがサンプル上を一定の高さで移動し、
その間、2つのセンサーが同じスポットを測定します。
測定される信号はサンプルのシート抵抗およびプローブとサンプル間の距離にも左右されるため、
シート抵抗の真値は距離値と渦電流信号から求めることができます。
渦電流は、導電性に優れた材料では、導電性が低い材料より高くなります。
4探針プローブによるシート抵抗測定
4探針プローブ(4PP)は、
ドーピング密度・抵抗率・エミッターシート抵抗値のモニタリングを行うために使用されている接触測定法です。
電圧と電流の電極を分離することで、接触抵抗の影響を測定結果から排除します。
使用電圧が制限されているため、高抵抗率範囲では測定可能な電流が非常に小さくなり、測定に対する制限となります。
当社では、6探針プローブ(6PP)法を用いることでこの問題を解決し、探針を2本追加しノイズを可能な限り抑制しています。
分光ヘイズ&反射率
ヘイズは、拡散的に散乱された光と全透過光の割合です。透過光の(直接)正反射部分は、光トラップディスクが開状態の場合、トラップに吸収されます。この状況では、収集されたスペクトルは透過光の散乱部分のみを分散させます。トラップディスクが閉じている場合、測定スペクトルは全透過光で構成されます。
分光エリプソメトリー
分光エリプソメーターは、透明薄膜の膜厚測定と光学定数(屈折率Nと消衰係数K)を精度良く測定します。
薄膜の膜厚値は、数オングストローム~数10μmの単層膜・多層膜の測定が可能です。
多層膜測定は各層の屈折率と消衰係数を求めることができます。
非接触・非破壊かつ高速測定が可能なため、
半導体(シリコンSi・有機材料・化合物半導体SiC・GaN)
ディスプレイ・太陽電池・バイオ・ナノテクノロジーの様々なアプリケーションでご利用いただいています。
エリプソメトリーは絶対的な光学的測定法であり、物質から反射された光の偏光状態の変化を測定します。
反射された物質の原子構造により偏光の状態が変化するため、物質の材料特性(膜構造と光学特性)の抽出が可能になります。
偏光の状態変化は、複数の光学コンポーネントが光偏光を変調させる様々な方法で特定できます。
セミラボでは、最先端の技術である回転補償子法を採用しており、
ハイエンドの広帯域補償子が回転角に応じて異なる位相転移を生じさせることで、
エリプソメトリーパラメータ(ΨΔ)をスペクトルとして特定できます。
エリプソメトリーは間接的なメトロロジーであるため、
膜厚値や屈折率の値を抽出するには、物質構造のモデリングとパラメータフィッティングが必要になります。
セミラボの分光エリプソメトリーアナライザー(SEA)ソフトウェアは、
実際の物質構造モデルを構築するための幅広い手法・解析モデルパラメータをフィッティングにかけ、
正しい結果を取得するための強力なアルゴリズムを装備しています。
外観検査
外観検査技術は、2つの主な技術と装置を組み合わせています。
分光エリプソメーター・コア内の高解像度画像処理システムと、2D-3Dラインスキャンカメラを用いて、
欠陥検出や表面特性の寸法測定を行っています。
このプラットフォームは、印刷方式PV(有機、ペロブスカイト)アプリケーション向けに開発されました。