非接触移動度測定 (キャリア移動度測定)とは
半導体デバイスの製造にとって、キャリア移動度は、とても重要なパラメーターになります。移動度のマッピング測定結果は、エピタキシャル成長装置(エピ炉)と歩留まりの最適化に有効にご使用頂けます。
Semilab(旧リハイトン社 Lehighton Electronics, Inc.)のLEI-1600シリーズは、非接触、非破壊でキャリアの移動度測定を行います。弊社で開発された独自のソフトウェアにより、従来のホール効果法による移動度測定結果と相関性の高い結果を短い時間で導き出します。 従来のホール効果測定に比べて大幅に時間短縮が可能です。
非接触移動度測定装置LEI-1610シリーズは、移動度、キャリア濃度、シート抵抗など様々な半導体キャリア輸送特性の測定が可能です。
システムでは、低パワーの10GHzマイクロ波が使用され、導波管とサンプル表面からのエネルギーが結び付けられます。導波管により、TE10とTE11モード両方の反射波が検出ならびに測定されます。ノーマルなTE10入射波により、サンプルからの2つのタイプの反射波が生成されます。
1つ目の反射波、TE10は、入射波と同じモードの(もしくは分極された)反射強度です。導波管システムの総インピーダンスに基づき、この反射強度の測定によりサンプルのシート抵抗が計算より求められます。
2つ目の反射波、TE11は、磁場の影響下にサンプルがある場合のホール効果により引き起こされます。この効果により、ノーマルな入射波TE10は、90°回転することになります。システムにより、このホール効果が測定され、移動度とキャリヤ濃度が計算より求まります。
Figure 2.非接触移動度測定ダイアグラム
非破壊測定のため、簡単にマッピング測定が可能です。
Figure 3.Single field output(キャリア移動度)
反射波の強度が解析されると、マイクロ波の移動度の値は、一般的なホール効果測定のルールに基づいた伝導率係数に変換されます。このため、従来のホール効果で使用されている同じキャリアフィッティングの手法が適用できます。
Figure 4. 1610 非接触移動度測定フローチャート
更に、非接触移動度測定の結果は、従来のvan der Pauw Hall法などの測定方式と比べて優れた相関性があります。
Figure 5. van der Pauw Hall法との相関
特徴
- ・非破壊、非接触
- ・サンプルの前処理不要
- ・従来の測定方式に比べて、大幅な時間短縮が可能
- ・高速フィードバック
- ・自動マッピング測定
- ・ASTM F76スタンダードに準拠
非接触移動度測定 キャリア移動度測定
- ・マイウロウェーブ反射による非接触移動度測定
- ・高周波デバイス特性のスタンダード測定装置
- ・ホール効果による測定結果との高い相関性
- ・マルチキャリア・モデリングオプション