光散乱断層撮影法(LST)
光散乱断層撮影法(LST)は、バルク単結晶材料における結晶欠陥を数十ナノメートル範囲で検出する強力な検査方法です。検査する材料は主にシリコンであるため、適切な赤外線照射を用いることで、光をサンプルに集中させ、レイリー散乱光を集めることができます。暗視野配置のため、ノイズを最小限に抑えることができ、低エネルギーの散乱光が精度良く測定できます。低ノイズで高感度の赤外線検出を適用することで、検出限界を15nmまで下げることができます。LST装置は、as-grown単結晶シリコン材料をはじめ、熱処理サンプルや、エピタキシャル層・酸化膜を持つサンプルの分析にも適用できます。この装置では、半分に切断されたサンプルを特別設計のカセットから全自動でローディング/アンローディングし、データ評価や各種の結果の出力も自動で行います。それぞれの測定部を手動で詳細に分析でき、製造用途では、事前に定義した画像処理レシピに基づいてデータを自動で分析できます。
光散乱断層撮影法(LST)は、Void、格子間シリコン、酸素析出物などの結晶成長欠陥を特定する優れた手法です。Void(空隙)は、v/Gが大きい場合に生じ、凝集されていくと材料の光学特性を変えます。Voidは光散乱によって検出できます。酸素析出物は、熱処理によって生じ、これも材料の光学特性を変えます。
LSTの原理はレーザー散乱断層撮影法です。自動フォーカス手順とレーザー出力設定の後、集束赤外レーザー光が半導体ウェハーの切断端近くの散乱体(析出物、転位、積層欠陥など)を照らします。垂直散乱光が高NA対物レンズで集められ、画像が近赤外CCDカメラで検出されます。画像は、電動サンプルステージ上に置かれたウェハーのXスキャンで取得されます。
ソフトウェアが各サイズの欠陥密度を計算し、ヒストグラムを作成します。自動モードでは、分析ソフトウェアを画像取得と同時に実行でき、LST画像が処理され、密度やサイズなどの重要なパラメータの欠陥統計が表形式で出力されます。
図3.ウェハー構造
特徴
- ・BMDデータを効果的に自動で測定&カウント
- ・高感度でサイズ15nmまでの欠陥を検出
- ・高密度ウェハー向けに改良された分解能
- ・優れた再現性により、同じ欠陥のサイズを熱処理の前と後に測定可能
- ・照明面のスキャンにより、断層撮影が可能
- ・欠陥の統計とDZに関する様々な報告機能
- ・特別オプションを使うと、欠陥分類、欠陥位置精度、熱処理制御の改良が可能
- ・研究開発用途でスリップ転位を検出
LST
LSTは、シリコンサンプルのバルク微細欠陥(BMD)プロファイルのモニタリングを行う強力な装置です。BMDは入射光を散乱し、この光がサンプルの切断端近くのCCDカメラで記録されます。DZを、1画像のウェハー径に沿った濃度分布から数分で特定。深さ方向分解能:約0.5µm最初のパーティクルは表面から5µm以内で検出。全自動の操作(1/2サイズ・1/4サイズウェハーのハンドリングなど)
劈開面の自動フォーカス。