光学式ポロシメーター
光学式ポロシメーター(EP)では、揮発性溶媒の吸脱着中の材料の光学特性と膜厚の変化を、アプリケーションに応じて大気圧(EPA)または真空中(EP)で測定します。EP法は、10nmまでの超薄膜の細孔率を測定できる独自の技術であり、優れた再現性と測定スピードを誇ります。光学式ポロシメーターは、従来のポロシメーターよりも、超薄膜の細孔サイズと細孔サイズ分布の測定に適しています。膜の細孔率は、Low-k材料を用いたシリコンベース技術、有機化学分野(カプセル化OLED)、SolGel技術を用いるコーティング分野で重要となる物理量です。
光学式ポロシメーター(EP)技術は、IMECが特許を持ち、セミラボが排他的ライセンスを所有しています。
光学式ポロシメーター(EP)では、有機溶媒の吸着サイクル中のポーラス薄膜フィルムの光学特性と厚さの変化を分光エリプソメトリー(SE)で測定します。こうした変化は、材料中の細孔が吸着剤で満たされることで生じます。吸着サイクル中に測定された屈折率と厚さの挙動から、細孔率、細孔サイズ分布、特性孔径、ヤング率、疎水性(透水性)、拡散係数といった薄膜固有の特性を算出できます。
セミラボでは、2種類の吸着サイクル設定を提案しています。大気圧(EPA)で水を溶媒として使う設定と、真空下(EP)で多数の異なる有機吸着剤(トルエン、IPA、メタノール、エタノール、水など)を使う設定です。
この測定手法では、マイクロ細孔率(細孔径<2nm)とメソ細孔率(2>細孔径>50nm)の両方を測定でき、測定器の構成に応じて10nmから数µmまでの薄膜に対応できます。従来のポロシメーターと比べると、EPはサンプルの前処理や薄膜のスクラッチを必要としないため、超薄膜の細孔サイズと細孔サイズ分布の測定に適しています。EP法は、単層と多層の両方の薄膜構造の細孔率を測定できる独自の技術であり、優れた再現性と測定スピードを誇ります。
EP法のアプリケーションは無数に考えられます。薄膜の細孔率は、Low-k材料またはポーラスシリコンフィルムを用いたシリコンベース技術、色素増感太陽電池に金属酸化物(SiO2、TiO2、W2O3など)を用いる太陽電池分野、OPVまたはOLED(カプセル化)にバリア層の透過性を用いる有機電子分野、SolGel技術を用いるコーティング分野で重要となるパラメーターだからです。
特徴
EP法では、次の値を確実かつ正確に測定できます。
- ・厚さ
- ・屈折率
- ・細孔率
- ・拡散係数
- ・超低k、ポーラスシリコン、ナノ粒子層、金属酸化物などのポーラス薄膜フィルムの細孔サイズ分布とヤング率、あるいはバリア層の完全性
- ・シール効率
PS
PS製品シリーズは、次のような多数のアプリケーションにおける物質の特性評価に適しています。
- ・膜(OLEDまたはOPVアプリケーションにおける透水性)
- ・保管(燃料電池)
- ・センサー(生体材料、ナノメディシン...)
- ・触媒表面
- ・ナノ構造&ナノ複合材料
- ・有機&無機ハイブリッド界面…