誘電体と界面の電気特性評価
ICデバイスの性能と歩留を高めるには、誘電体と、その誘電体が半導体と形成する界面の電気特性を管理することが不可欠です。セミラボでは、重要な誘電層と、FEOLからBEOLまでの幅広いプロセスモジュールにわたるプロセスの電気特性を評価するメトロロジーソリューションをご提供しています。
セミラボの電気的なインライン・メトロロジーの最も一般的な活用方法は、IC MOSショートループの代わりに使用することです。これにより、コストと時間のかかる処理を削減できます。このインライン法では、デバイスを準備せずに迅速なフィードバックが提供されるため、重要な製品に対してプロセス装置の稼働時間を長くすることができます。この手法で代用できる2つの主なMOS測定は、1)誘電体キャパシタンス、誘電体電荷、誘電体/半導体界面品質を判定するためのキャパシタンス - 電圧(CV)法と、2)誘電体リーク・破壊を測定する電流 - 電圧(IV)法です。
下の表は、セミラボのシステムで測定される誘電体特性と、その特性から影響を受ける重要なICデバイスパラメータ、問題がよく発生するプロセス領域をまとめたものです。
測定される誘電体と界面の特性:
測定される特性 | デバイスで影響を受けるパラメータ | プロセスモジュール | |
---|---|---|---|
誘電体/半導体界面品質(Dit、Qit、Nit) | 閾値電圧(Vt)、キャリア移動度、信頼性/ヒステリシス | 拡散、 ゲート、 洗浄 |
ILD プラズマ 薄膜 |
誘電体電荷 (Qf、Qm、Qot、Vfb) | Vt、信頼性/ヒステリシス | 拡散 ゲート |
プラズマ 薄膜 |
誘電体キャパシタンス(CD、CET、EOT) | Vt、信頼性/GOI、RC | 拡散 ゲート |
ILD 薄膜 |
表面電荷(VPDM、NVD、Vsurf) | 信頼性/GOI | 洗浄 プラズマ |
薄膜 イオン注入 |
誘電体リーク(I-V、I-E、SILC、Etunnel) | 信頼性/GOI | 拡散 ゲート 洗浄 |
ILD プラズマ |
セミラボでは、多様なお客様の個々の要件を満たすために、こうした手法を様々な形でご提供しています。たとえば、非接触コロナ-ケルビン法(FAaSTシステム)や、弾性金属プローブ(FCVシステム)/水銀プローブ(MCVシステム)を用いた接触法などです。
水銀CV測定とは
水銀CV測定装置MCVシステムでは、空気圧制御式の非破壊プローブ設計とウェハー表面での水銀接触により、コストのかかる金属・ポリ蒸着プロセスを不要にします。接触領域が非常に安定しており、少量の水銀を使うだけで再現性の高いCV・IV測定が可能であり、プロセス開発やプロセスモニタリングなどの用途に役立ちます。MCV法は、バルク/エピタキシャルと誘電層の両方の特性評価に効果的です。
非接触CV測定(FAaST)
Semilab SDIのFAaSTシステムは、半導体デバイス・材料の製造管理と開発で使用される最新式で非接触の電気メトロロジー装置です。この強力な測定手法では、非接触表面電位プローブ法を照射/非侵襲表面帯電と組み合わせて用いることで、半導体ウェハー、誘電体、界面の特性を示す幅広いパラメータを高精度で測定できる一方で、専用の検査試験装置を製作することに伴うコストと時間を節約できます。
非接触CVプロファイリングメトロロジーの主なアプリケーションは、半導体デバイス製造中の誘電体のモニタリングです。ここで最も重要な機能であり、従来の電気的測定との差別化要因となるのは、前処理が不要で非接触式であることです。このため、MOSキャパシタの事前準備が不要となり、製造プロセスと研究開発の両方の環境で測定コストが削減され、データフィードバックが迅速に実行されます。