水銀CV測定とは
水銀CV測定装置(MCVシステム)では、空気圧制御式の非破壊プローブ設計とサンプル表面での水銀接触により、従来の手法であるコストのかかる金属・ポリ蒸着プロセスを不要にします。接触領域が非常に安定しており、少量の水銀を使うだけで再現性の高いCV・IV測定が可能であり、プロセス開発やプロセスモニタリングなどの用途に役立ちます。MCV法は、バルク/エピタキシャルと誘電材料の両方の特性評価に効果的です。
現代のデバイス構造では、エピタキシャルシリコンの正確・精密な抵抗率制御とキャリア密度プロファイルが必要とされます。セミラボの水銀(Hg)ショットキーCV法は、製造と研究開発の両分野でのモニタリングに適しており、早い測定スピード、優れた再現性、高感度測定を実現します。
HgショットキーCV法では、再現性が高く非スクラブ式の垂直アームプローブを使います。プローブは少量の水銀を入れる長さ2cmのキャピラリーを備えており、浮遊キャパシタンスとプローブ自体の位置依存性を低減するために静電的にシールドされています。エピタキシャルウェハーは、手動、または自動搬送ロボットにより、処理側を上にしてステージ上に置かれます。次に、Hgプローブが制御された形で上側から下げられ、高品質のショットキー接触が行われます。
HgショットキーCV法では、n/n+、p/p+、n/p、p/nエピタキシャル構造を測定できます。また、GaAs、GaP、InP、SiCなどの他の半導体材料のキャリア密度プロファイルも測定できます。
薄膜p/p+エピタキシャル構造で測定されたキャリア密度プロファイルの例を図3と図4に示します。エピタキシャル抵抗率、オートドーピング効果、エピタキシャル層厚に関する有益な情報が高い再現性で得られます(図5を参照)。
図3.薄膜p/p+エピタキシャル構造のキャリア密度プロファイル
図4.薄膜p/p+エピタキシャル構造のキャリア密度プロファイル
図5.抵抗率、オートドーピング、層厚に関する情報
アプリケーションと仕様 |
測定されるパラメータ |
エピタキシャル抵抗率モニタリングドーピング範囲:
深さとドーピングの範囲は、ゼロバイアス空乏幅、破壊電圧によって制限されます。 シリコンの抵抗率範囲: ASTM 1392に準拠
|
|
代わりとなる半導体材料
|
GaN:
SiC:
|
MCV製品シリーズには誘電体の電気特性評価 と化合物材料特性評価用の強力な機能も装備されています。
MCV
MCV装置はすべて、
自動で完全搬送式の水銀ハンドリングシステムを備えており、安全性・信頼性を向上・使いやすいソフトウェア環境により測定が制御され、
測定した構造を詳細に分析する高い柔軟性も実現。
最大12"/300mmのフルマップ機能。
上記の全機能(オプションも含む)は、手動のMCV-530(L)装置と自動のMCV-2200/2500装置に対応。
標準のCV測定と標準の電子装置に加えて、測定能力を拡大する高度なメトロロジーオプションを多数ご用意:
- 多周波数CV計(1kHz~10MHz)KEITHLEY-4200:誘電層の高度な特性評価用
- アプリケーションのニーズに応じた異なる直径のキャピラリー:標準キャピラリーの直径=1.7mm、オプションで直径0.5、0.7、1.0、4.0mmのキャピラリー
- IVオプション:電流-電圧ベースの誘電体の完全性と信頼性の研究
- QVオプション:低周波数CV測定がDitエネルギースペクトルを提供
- パルスCVオプション
- 絶縁基板またはSOI上に堆積した半導体層の測定用の上面復帰接触(TSRC)オプション
- 水銀蒸気アナライザーオプション