薄膜膜厚測定
半導体製造プロセスでは以前としてムーアの法則を守り続けており、薄膜成膜プロセスは微細化の進みが特に早い工程のひとつです。このためデバイスメーカーでは、超薄誘電体の統計的なプロセス管理に有効な先端メトロロジーシステムを導入ししています。
分光エリプソメトリーは、あらゆる透明/半透明材料に使用できる非接触/非破壊の測定方式であり、単原子膜から数十マイクロメートルまでの幅広い層厚と光学特性(屈折率N・消衰係数K)を測定できます。
分光エリプソメーターでは、単層膜と多層積層膜の厚さが特定できます。さらに、各層の屈折率Nと消衰係数Kのデータを抽出することで、材料の光学特性の絶対評価が可能です。
分光エリプソメーターでは、最大で数十層の多層積層膜を1回の測定で同時に分析して、個々の層の厚さを抽出することができます。材料の光学特性も、深紫外領域から近赤外領域までの幅広いスペクトル範囲にわたって取得ができます。
分光エリプソメトリーは、反射率測定法などの他の光学法とは異なり、リファレンスサンプルもリファレンスとなるビームも必要がありません。分光エリプソメーターによる測定では、測定波長領域でのp偏光とs偏光の振幅比Ψと位相差Δの2つのパラメーターが測定されるため、その他の測定方式に比べて高感度であるという利点があります。この高精度測定により、界面が荒いラフネス層を含む多層膜や材料組成が未知の場合のサンプルなど複雑なサンプル構造でも分析ができます。
分光エリプソメーターとは
半導体製造工程では、性能の向上と集積回路の高密度化/微細化が絶えず必要とされています。このようなニーズから、半導体製造プロセスの課題の解決を必要とする技術の発展が促されてきました。成功の鍵は、標準的な集積回路で使用されている幅広い材料の化学・機械・物理特性を理解することです。
単波長エリプソメトリー
レーザーエリプソメトリーは、
サンプルから反射または透過される光の偏光状態の変化を測定します。
偏光状態の変化は、振幅比Ψと位相差Δとして表され、
測定されるデータは個々の材料の光学特性と厚さで異なります。
このため、主にエリプソメトリーは膜厚と光学定数を特定するために使用されますが、
散乱光測定法を用いることでラフネス層と表面形状の特性評価にも適用されます。